看護師の役割は、患者さんの健康の増進を図ること、疾病にならないように予防すること、健康を取り戻せるようにサポートすること、苦痛を緩和することなど多岐にわたる。患者さんに病院内で少しでも快適に過ごしてもらうために工夫すべきことはたくさんある。国際看護師協会による看護師の倫理綱領の前文にも書かれているくらい、看護師にとって重要な心がけといえるだろう。
病気の予防は患者さんの健康状態を悪化させないためにも、気を配るべき重要なことだ。看護師の仕事は病気になった人のケアというイメージを持つ人もいるが、病気になるのを防げるのであればそれにこしたことはないだろう。
病気の予防には段階があり、まずは健康な状態のうちに病気の予防に取り組むことだ。健康診断や予防接種を受けることで、病気にかかっていない健康な身体を維持することができる。
病気の予防として次にできることは、病気を少しでも早く発見し症状が重くならないようにすることである。以前に比べると医療技術は格段にあがっているので、早期発見できれば治療が可能だ。早い段階で対策することで、医療費や人件費の削減にもつながるだろう。
他にも、発症した病気の再発を防止することが重要である。保健指導やリハビリテーションを通して身体面での健康を支えるだけでなく、生活習慣が悪化しないようにアドバイスするのも看護師の仕事であるといえる。人間の身体は年齢とともに衰えていく。したがって、手遅れになって治療するのではなく、治療が軽く済む、もしくは治療しなくてもいいように予防することが重要なのだ。